最近、SDGsという言葉を聞く機会が増えてきました。
SDGsは環境問題や貧困問題を国際的に解決していくことを目的とした活動で、国だけでなく各国の企業も積極的に取り組んでいます。
とはいえ、まだ聞き馴染みのない言葉でもあるので、具体的にどのような活動をしているのか、私たちが日常的に行える活動があるのかなど分からない点も多いはず。
そこでこの記事では、SDGsの概要に加えてサステナブルとの関係性や企業の取り組み事例などについても解説します。
また、私たちが日常的に取り組めるSDGsも紹介しますので、ぜひチェックして、これからの過ごし方に取り入れてみてください。
記事を最後まで読むとSDGsが自分の身の回りにも関係していること分かるので、身近なところから手軽に社会貢献できるようになるでしょう。
SDGs(持続可能な開発目標)とは
SDGsとは2015年の国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき持続可能な開発目標のことです。
SDGsの前身であるMDGsで解決できなかった課題を再度取り上げ、17の目標と169のターゲットを定めました。
SDGsは貧困や環境等のグローバルな問題に対して包括的にとらえ「誰一人取り残さない」という発想を掲げ、全ての国と個人が参画意識を高め取り組むべき目標といえます。
SDGsの前身「MDGs」とは
MDGs(Millennium Development Goals)とは、国連ミレニアム宣言と1990年代に設定された国際開発目標を2001年に統合した全世界を包含する目標です。
国連ミレニアム宣言は2000年9月ニューヨークで採択されました。貧困撲滅や地球環境問題など、国際社会の連携と協調によって解決できる課題を示しています。
MDGsでは1990年当時の数値を基準に2015年までに達成すべき8つの目標(貧困、環境、差別の解消など)を21の数値ターゲットで示し、実現するための60もの具体的な指標を示しました。
しかしながら、潘 基文(パン・ギムン)国連事務総長は2015年国連ミレニアム開発目標報告を総括、MDGsの一定の成果を強調しつつ、今後も継続的に解決すべき課題があることに言及しています。
SDGsの17の目標とは?
SDGsには、2030年までに持続可能でより良い世界にしていくための17の目標があります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- 全ての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 農業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの17の目標は「環境保護」「社会的包括(すべての人の人権を尊重すること)」「経済開発」の3本柱から成り立っています。
SDGsは発展途上国だけを対象とするのではなく、働きがいや経済成長を目標に加えることで先進国への広がりも見せているのです。
SDGsの17の目標「169のターゲット」とは
SDGsの17の目標には、各目標ごとに平均10個ほどのターゲットが設けられています。ターゲットとは数値や対策、行動の進捗を測定するための指標です。
ここでは、169のターゲットの中から5個を具体例としてご紹介します。
- 【貧困をなくそう】ターゲット:2030年までに現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている貧困をあらゆる場所で終わらせる
- 【すべての人に健康と福祉を】ターゲット:2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減
- 【ジェンダー平等の実現】ターゲット:女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化
- 【人や国の不平等をなくそう】ターゲット:税制 、社会保障政策をはじめとする政策を導入、平等の拡大を漸進的達成
- 【つくる責任つかう責任】ターゲット:国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進
SDGsの17の目標をより具体的な数値や行動に起こすことで、目標達成への動き出しや施策を分かりやすく表しています。
しかし、現状では達成された目標やターゲットの方が圧倒的に少ない現状です。
国や企業、個人感でも積極的な行動を起こすことが、目標達成に必要であるとされています。
SDGsが注目を集める理由
SDGsが国内で注目を集めるようになった理由は、以下の3つです。
- 環境や貧困による世界的問題からくる危機感
- 国連から日本へSDGs取り組みを要請
- 日本企業が経済成長による持続可能性を重視
世界では温暖化、国際紛争、貧困、環境破壊、など数多くの課題を抱えています。
現在抱えている課題や問題を解決できなければ、人類がこの世界で暮らし続けられないという危機感から、SDGsへの関心は国内でも徐々に高まりつつあります。
そしてもっとも影響しているのが、SDGsへの取り組みが日本政府と国内企業に対して投資の判断材料となったことで、ステークホルダーの意識も持続可能性を重視するようになったからです。
日本の今後の経済活動にも影響することから、国内でも積極的にSDGsに取り組む姿が増えてくるようになったといえるでしょう。
企業がSDGsに取り組むべき理由「ESG」とは
ESGとは、非財務情報である環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の要素を判断基準とした投資のことです。
世界最大規模の投資機関であるGPIFは、2015年9月からESGが投資家の重要な判断基準としました。そのため、世界の企業は投資を呼び込むためにも、ESGと誠実に向き合うことが必要となったのです。
ESGは、SDGsが掲げる17の目標の要素のひとつでもあるため、企業や投資家がSDGsの目標へ取り組むための「行動規範」として密接に繋がっています。
今やSDGsは、企業活動においても優先的に取り組むべき指針といえるでしょう。
企業のSDGs取り組み事例3選
実際に国内企業が、SDGsにどのように取り組んでいるのかを、以下の3社の事例から見ていきましょう。
- パナソニック株式会社
- 株式会社ジモティー
- ヤマハ株式会社
各企業が自ら社会的課題を抽出して、地域に根差しつつもグローバルに社会の持続可能性を高めている様子をご紹介します。
パナソニック株式会社
パナソニックは2014年より2018年まで計10万台のソーラーランタンを寄贈しました。対象は無電力化地域の多いアフリカなどの国々です。
太陽光を活用した再生可能エネルギーによる明かりは、教育や保健・医療、女性の自立支援、雇用創出などの課題を解決し、社会生活を改善しています。
また、世界的に問題視されている児童売買の撲滅のため「かものはしプロジェクト」を行なっています。
「かものはしプロジェクト」とは2002年より児童買春・人身売買の被害をなくすべくカンボジアなどで活動しているNPOのことです。
自社製品の強みを活かした取り組みだけでなく、幅広くSDGsの取り組みが行われているのがパナソニックの特徴です。
株式会社ジモティー
株式会社ジモティーでは、ひとり親支援の継続的な活動を実施しました。
2018年には、企業から協賛された支援物資を「ジモティー」上に掲載し、ひとり親家庭を優先に物品の受け渡し会を開催したのです。
ひとり親家庭への支援を行なった背景には、株式会社ジモティーが行なったユーザー調査にありました。
ユーザー調査の結果、日本のひとり親世帯の約半分(約65万世帯)が「ジモティー」を利用して不用品の供給を受けていることが判明したのです。
また、食品の地域内での譲渡も推進しています。廃棄予定の野菜やお歳暮の余り物などを地域の方に譲る事で食品ロスの解消に貢献し、無料の食品譲渡も実現し貧困の撲滅に貢献しています。
ヤマハ株式会社
ヤマハ株式会社では、世界の子どもたちが質の高い器楽演奏体験の機会に等しく恵まれることを最終目標とし、2015年より「スクールプロジェクト」(器楽演奏体験のサポート)を世界的に推進しています。
スクールプロジェクトでは、これまで楽器に触れる機会のなかった新興国の子どもたちに演奏の楽しさを伝えているのです。
2018年からは「スクールプロジェクト」を通じて、インドの子どもたちに器楽演奏の楽しさを伝え、豊かな教育と成長を支援しています。
個人のSDGsの取り組み例
個人でも取り組めるSDGsの活動例として、以下の3つが挙げられます。
- マイバックを使用する
- マイストローを持参する
- 多様な価値観を認めて協力する
普段の生活からでも始められる小さな行動の積み重ねが、地球規模の影響を与えていると言っても過言ではありません。
以下で紹介する個人で始められるSDGsの活動をチェックして、ぜひ今日から取り組んでみてください。
マイバックを使用する
2020年7月、レジ袋が有料化されました。
レジ袋を使う人が減ることで、消費者の節約や不法投棄を抑える効果が期待されています。
SDGsの17の目標では「つくる責任つかう責任」の観点から望ましいとされる活動例です。
加えて「陸の豊かさを守ろう」「海の豊かさを守ろう」という目標達成にも繋がります。レジ袋の不法投棄により海が汚れている光景を見たことがある方も多いはず。
実は、海水に晒されたプラスチックごみは、太陽光や海水の影響でメタンガス、温室効果ガスを排出するという報告があります。
マイバックの利用によるレジ袋ゴミの削減は、「気候変動に具体的な対策を」の目標達成の小さな一歩でもあるのです。
マイストローを持参する
2021年3月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が閣議決定されたことで、マイストローの持参・使用も今後普及していく見込みです。
レジ袋と同じく、プラスチック製品の「つくる責任つかう責任」の目標達成の一歩として期待されます。
また、製造と不法投棄が削減されることで「陸の豊かさを守ろう」「海の豊かさを守ろう」という目標にも近づくでしょう。
国内企業ではマイストローに着目した製品開発も進められています。
高級和雑貨の小売店「select品川」を運営する株式会社セレクトでは、2019年11月にローンチした「マイストロー×クラウドファンディング」が、目標金額に対して120%の支援総額を得ました。
企業と個人が日常生活から始められるSDGsへの取り組みを積極的に行うことで、持続可能な開発目標の達成に近づいていくでしょう。
多様な価値観を認めて協力する
日本では性別による昇進の差も解決すべき課題です。
SDGsの目標のひとつである「ジェンダー平等を実現しよう」も、LGBTが認知され関心や理解が高まっています。
特にミレニアム世代からZ世代にかけての世代は、多様な価値観に対して柔軟に受け入れる傾向なため、10〜20代の若い世代でも比較的すぐに取り組めるSDGsの活動といえるでしょう。
多様な価値観を認め合い協力することができれば「人や国の不平等をなくそう」「平和と公正をすべての人に」「パートナーシップで目標を達成しよう」などの目標も、必然的に達成できるはずです。
人種や国籍を超えて協力し合うダイバーシティ的な社会を、これからを担うミレニアム世代やZ世代から作っていくことでSDGsの目標達成も近づいていくでしょう。
ノンアルコール飲料もSDGsの取り組みに繋がる意外な理由とは
以下3つの観点から、ノンアルコール飲料市場の発展もSDGsの目標達成において重要な要素といえるでしょう。
- 健康被害の抑制
- ノンアルコール市場の経済成長
- コミュニケーションの平等化
SDGsの目標である「すべての人に健康と福祉を」と「働きがいも経済成長も」の達成のためには、飽和状態のアルコール市場ではなくノンアルコール飲料の開発や新規に市場を開拓することで、経済成長を促す可能性を期待できます。
またノンアルコール飲料の市場が発展すれば、アルコールが飲める人だけでなく誰でも平等に「飲みニケーション」文化に参加できる環境づくりにも寄与するでしょう。
高品質なノンアルコール飲料は、これまで体質、障害、宗教等で飲酒を伴う食文化を楽しめなかった人々でもアルコールが飲める人たちと楽しめる可能性を秘めているのです。
健康被害の抑制
アルコールによる健康被害は若者を中心に問題とされており、SDGsの「すべての人に健康と福祉を」という目標達成にも欠かせない要素です。
アルコールの過度な摂取は肝臓や中性脂肪の血液データの悪化を招き、習慣化はアルコール中毒の危険性もはらんでもいます。
ノンアルコール飲料による禁酒や減酒は、「すべての人に健康と福祉を」の目標達成の身近な手段といえるかもしれません。
ノンアルコール市場の経済成長
コロナ禍の影響で人々のアルコール離れが起こり、アルコール市場は大きな痛手を負いました。
一方でノンアルコール飲料の市場は、健康志向や飲酒運転撲滅などの観点から、今後も成長の可能性を秘めているといえるでしょう。
SDGsの達成目標のひとつである「働きがいも経済成長も」において、ノンアルコール飲料の商品開発と市場開発の成長は大きく寄与する可能性があります。
また、日本では禁止されている脱アルコールの技法は今後のノンアルコール飲料市場発展の余地を残しているといわれています。脱アルコール技法とは、アルコール飲料と同じ製法で生産し、アルコールだけを抜いて本物のビールの味わいに近づける技法のことです。
さらには、健康に悪影響を及ぼす副作用だけを取り除き、味わいや酩酊状態などメリットのみを残した合成アルコール「アルコシンス」の開発も進められています。
インペリアルカレッジオブロンドンのデビッド・ナット教授が研究中のアルコシンスは、今後のフードテクノロジー発展の一役を買い、SDGsの目標達成も大きく前進する可能性を秘めているかもしれません。
コミュニケーションの平等化
人種、宗教、障害の有無、体質によって飲酒ができない人もいます。
いわゆる「飲みニケーション」の場は、アルコールが飲めない年齢層と楽しめる年齢層の壁となっていたケースもあったでしょう。
しかし、ノンアルコール飲料が今後普及することで、飲酒ができなかった人たちも壁を取り払って円滑な人間関係や情報交換ができるといった環境づくりが構築されることが期待されています。
高品質なノンアルコール飲料の登場で、飲食空間での不公平感を解消してSDGsの目標達成にも繋がっていくでしょう。
SDGsの取り組みで楽しめる美味しいノンアルコールビール3選
ここでは、SDGsの取り組みに最適な、健康志向でビールの味わいを再現した美味しい以下3つのノンアルコールビールを紹介します。
- 零ICHI(ゼロイチ)
- GREEN’S FREE(グリーンズ フリー)
- ヴェリタスブロイ
初めてリリースされた当時とは比べることができないほど、ノンアルコールビールの味わいや美味しさは進化しました。
その中でも味わいに定評のある3種類をご紹介しますので、ぜひ一度お試しください。
零ICHI(ゼロイチ)
長年ビールメーカーとして業界に君臨して美味しいビールをつくり続けたキリンだからできる一番搾り製法が特徴のノンアルコールビール。
麦のおいしさを丁寧に引き出し、ビールそのもののコクとすっきりした後味を実現しています。
一から原材料比率を見直し一番おいしいノンアルを目指しビールに近い味わいです。
また、甘味料、着色料は一切使わず無添加で健康にも配慮した商品です。
GREEN’S FREE(グリーンズ フリー)
ビールと同じ原材料を使用し、素材の良さを引き出す新製法によりアルコールビールの様な芳醇な香りを楽しめる一杯です。
良質な麦と爽快ホップを使用して良質志向にこだわっているからこそ、人工甘味料や香料を使わない無添加を実現しました。
アルコールの入ったビールのような芳香な香りと、しっかりとした苦味を味わえるのでビール好きな人も納得のノンアルコールビールといえるでしょう。
ヴェリタスブロイ
ドイツのノンアルコールビールヴェリタスブロイは、本物のビールからアルコールを抜いた脱アルコール技術を使って製造しています。
「ビール純粋令」と呼ばれるビール法に則り添加物を一切使わず、原料はプレミアムモルト、ファインホップと天然水のみです。
人工添加物を全く使っていないため、厚生労働省から健康性能機能が実証されています。
香りはやや酸味を感じつつもビールを思わせるような豊かさ。味・舌触りの質感が最もビールに近いノンアルコールビールに仕上がっています。
今話題のSDGsの取り組みを個人と企業別に解説まとめ
SDGsは、17の目標と169のターゲットで構成された持続可能な開発のことです。
ESGの影響もあり国や企業が積極的にSDGsに取り組むようになってきましたが、私たちの日常的な生活で始められる活動はたくさんあります。
今回紹介したマイバックやマイストローなどの取り組みに加えて、健康志向とコミュニケーションの平等化の観点からノンアルコールビールを嗜んでみるのもいいかもしれません。
以下では、おすすめのノンアルコールビールは以下の記事にまとめています。自分にピッタリの商品を見つけたい方はぜひ参考にしてみてください。
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