ノンアルコールビールは、アルコールを含んでいないから未成年でも飲めるのかと気になっている方もいると思います。
結論からお伝えすると、法律上は未成年がノンアルコールビールを飲んでも問題ありません。
しかし、ノンアルコールビールを製造している各メーカーは、未成年への販売や未成年が飲むことを推奨していません。
今回は、そもそもノンアルコールとはどのような定義なのかを始め、未成年がノンアルコールを飲むことをおすすめしない理由などを紹介します。
ノンアルコールビールは未成年が飲んだら法律的にアウト?
ノンアルコールビールは、お酒ではなく清涼飲料に分類されているため、未成年が飲んでも法律違反は問題ありません。大手飲料メーカーでは、以下のように「未成年にノンアルコール商品は推奨していない」ことを表明しています。
飲料メーカー | コメント |
キリン | 「アルコール飲料ブランドの延長となるノンアルコール商品は、販売しない」(「IARD※」における「未成年者飲酒防止」に向けた行動指針について」より) |
サントリー | 「20歳以上が飲用することを想定しているため、未成年にはおすすめしない」(お客様センター Q&Aより) |
サッポロ | 「本商品は20歳以上の成人の飲用を想定・推奨しています。」(よくあるご質問 より) |
このように、各メーカーにおいて未成年へのノンアルコールビール販売は推奨していないようです。
なぜ販売しないのか等に関しては、以下の2点にわけて詳しく紹介します。
- ノンアルコールの定義は?
- ノンアルコールカクテル・梅酒の場合は?
ノンアルコールの定義は?
厚生労働省では、ノンアルコールを以下のように定義しています。
“含有アルコール量が1%未満の飲料だが、通常、清涼飲料水は含まない。
酒税法の第2条で、酒類は「アルコール分1度以上の飲料」と定義されています。したがって、ノンアルコール飲料とは、含有アルコール量が1%未満の飲料です。この解釈にしたがうと、普通の清涼飲料水はすべて含まれることになりますが、ノンアルコール飲料というと、通常は外観、味、香りなどが酒類に似ているものを指します。”引用:ノンアルコール飲料|e-ヘルスネット(厚生労働省) |
さらに、現在では「ノンアルコール」に加え「ローアルコール」というジャンルも出てきています
まとめると、以下のように分類されます。
- ノンアルコール:アルコール度数が1%未満の飲料全般のこと。実際に流通しているノンアルコールビールなどは、アルコール度数0.00%以下と、ほぼ0%の製品が多い。
- ローアルコール:ノンアルコールの中でもアルコール度数1%未満、0.01%以上の製品のこと。微量のアルコールが含まれているため、未成年が飲むと法律上アウトとなる。
アルコール度数1%以下、0.1%以上の製品においては、ノンアルコールではなくローアルコール、微アルコールと表記されているので、購入時は注意が必要です。
ノンアルコールカクテル・梅酒の場合は?
ノンアルコールビールに限らず、ノンアルコールカクテルやノンアルコール梅酒など、ビール以外のノンアルコール製品が多数あるものの、ノンアルコールであることは同じです。
梅酒はもちろん、ジュースやシロップなどを組み合わせて作るノンアルコールビールは、ジュースのように飲めるので未成年でも飲める味ではあります。
しかし、メーカーはビールと同じように未成年への販売は推奨していないので、購入等はできないことが多いでしょう。
ビールと同じく、製品によっては、微量のアルコールビールを含んでいることがあるので、運転前などに飲む場合は、アルコールを含んでいないかを確認することをおすすめします。
ノンアルコールビールを未成年に勧めない理由
ノンアルコールビールは、法律上は未成年が飲んでも問題ありませんが、あまりおすすめしません。
おすすめしない理由は、以下の3点になります。
- 微量のアルコールが含まれる商品もある
- 人工添加物が多量に含まれている
- 20歳以上を想定されて作られている
微量のアルコールが含まれる商品もある
ノンアルコールはアルコール度数1%以下のことを指すため、0.9%のアルコールを含んでいる製品もノンアルコールと表記できます。
微アルコールと表記されていることもありますが、商品を確認し、0.00%と書かれているかを確認しなければ、アルコールを摂取していまう恐れがあるのです。
未成年がアルコールを摂取することは、体の成長に悪影響を与える恐れがあるため、ノンアルコールビールは未成年におすすめしません。
実際に、微量のアルコールが含まれているノンアルコールビール製品は以下のような商品があげられます。
- アサヒビアリー
- The Drafty
- サザンスター
- NON ALE 常陸野ネスト
これらの商品は微量のアルコールが含まれているノンアルコールビールですので、注意が必要です。
人工添加物が含まれている
ノンアルコールビールには、人工添加物が含まれていることも、未成年におすすめしない理由の1つです。
具体的には、以下のような人工添加物が含まれています。
- カラメル色素
- 人工甘味料(アセスルファムKなど)
- 難消化性デキストリン
- 苦味料
もちろん、常識の範囲内で楽しむ分には、体調を害することはなく、アルコールを含むビールなどよりも健康的な飲料です。
とはいえ、体の発育が重要である思春期に人工添加物を多量摂取すると、体の成長に悪影響を与えることも考えられつため、未成年には特におすすめしません。
20歳以上を想定されて作られている
ノンアルコールビールは、ドライバーなどのアルコールを摂取できない状況の方がアルコールを楽しめるようにと作られた飲料です。
そして、なるべくアルコールを楽しんでいる気分を味わえるように、お酒に近い味付けになっています。
つまり、日頃アルコールを楽しんでいる20歳以上が楽しむことを想定されているため、未成年はターゲットに入っていません。
実際に、大手メーカーであるアサヒのノンアルコールビール商品に関するFAQには、未成年が飲んでも問題はないものの、20歳以上が飲むことを想定して開発したと明記されています。
またサッポロのFAQにも、未成年が飲んでも良いがおすすめはしないこと、20歳以上を想定して作っていることが明記されています。
またノンアルコールビールを飲むことが、本物のビールやお酒を飲みたい気持ちを助長される恐れがあるという論文(*)も発表されていることも、おすすめしない理由の1つです。
(*)児童におけるノンアルコール飲料摂取が飲酒と喫煙に与える影響
ノンアルコールビールを未成年は買えるのかに関するQ&A
未成年に関連するノンアルコールビールに関するQ&Aには、以下のようなものがあります。
- ノンアルコールビール購入に年齢確認は必須?
- ノンアルコールビールを飲んで運転できる?
- ノンアルコールビール購入に年齢確認は必須?
-
法律上は、未成年でも飲めるノンアルコールビールですが、購入時には年齢確認されることが多々あります。
先に紹介したように、各メーカーはノンアルコールビールを「20歳以上が飲むことを想定」して作られているため、未成年には勧めていません。
また、スーパーやコンビニなどでは、ノンアルコールビールもお酒コーナーに置かれており、未成年への販売をしない店舗が多いです。
そのため、購入時に年齢確認をされ、未成年とわかった際には、販売してもらえないことが多いので、購入はおすすめしません。
- ノンアルコールビールを飲んで運転できる?
-
0.00%のノンアルコールビールであれば、アルコール成分が全く含まれていないので、運転しても問題ありません。飲酒運転が法律で禁止されている理由は、アルコールによって運転能力や判断能力が低下することです。
よってアルコールが入っていなければ何の問題もありません。
しかし、ノンアルコールの定義はアルコール成分1%未満であり、0.9%のアルコール成分を含んでいてもノンアルコールビールと表記ができます。
微量のアルコールを含んだノンアルコールビールを飲んでいると、アルコールが検出されてしまう恐れがあり、場合によっては警察沙汰になる可能性があるので、注意が必要です。
高校生・未成年はノンアルコールビールの摂取を控えよう
今回は、高校生や未成年でもノンアルコールビールを飲めるのか、法律的にアウトなのかなどを紹介してきました。
ノンアルコールビールは、清涼飲料に分類されるので、法律上は未成年が飲んでも問題ありません。
しかし、以下のような理由で未成年には、ノンアルコールビールをおすすめしません。
- 微量のアルコールが含まれる商品もある
- 人工添加物が多量に含まれている
- 20歳以上を想定されて作られている
そもそもノンアルコールビールは20歳以上が飲むことを想定して作られている商品なので、未成年への販売を自粛している店舗が多くあります。
このような理由から、法律上は問題がないものの、未成年が飲むことは推奨されていませんので、摂取を控えると良いでしょう。
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