ミレニアル世代と呼ばれる人々が頭角を現し始めています。
ミレニアル世代とは、2000年以降に成人になった人々のことを指し、子供の頃からインターネットに触れ、調べ物があれば図書館ではなく、”ググって”きたような人々です。
ゴールドマンサックスの調査によれば、2025年には世界の労働者の75%が「ミレニアル世代」になるのだそうで、彼らがこれからの世界の舵を握る世代であることは間違いないでしょう。
しかし、彼らの価値観はそれまでの世代とは大きく異なっており、従来の価値観は全く通用しません。
ミレニアル世代よりも前の世代の人々は、社会が大きく成長を遂げていたタイミングであったため、「世の中の空白を埋めるように」与えられた仕事を懸命にこなしてきました。
空白が多く、必要なモノを手に入れるために努力してきた世代であり、他者との差別化を行うポイントも物理的な”モノ”でした。
その結果、高級時計や外車、タワーマンションなどの「ステータスシンボル」に対しての大きな憧れを抱いており、汗水流して働いて、金銭・物理的報酬を手に入れることに夢中になっていました。
しかし、ミレニアル世代が大人になった頃にはそういった「世の中の空白」はほとんど残されておらず、必要なモノは全て身の回りに揃っています。
モノを手に入れるために頑張る必要などなく、かつての世代が憧れを抱いていたブランドや出世といったモノやステータスシンボルに対してはむしろ「ダサい」とすら感じています。
先に述べたように、ミレニアル世代よりも前の世代の人々は汗水垂らして働いてお金を稼ぎ、美味しい料理や高いワインを片手に、美しい女性と一夜を過ごすことなどが幸福の形でした。
しかし、ミレニアル世代はそういったことにほとんど価値を感じません。
彼らにとっては、気の合う仲間と一緒にサイゼリアで安いワインを飲んだり、家でお気に入りの部屋着に身をくるみ、UberEatsのデリバリーフードを片手にNetflixをダラダラと観ることの方が価値があるそうです。
モノへの執着がない彼らにとっては、「体験」を手に入れることが非常に重要です。
ミレニアル世代は、若いうちからFacebookをはじめとするソーシャルネットワークサービスが身の回りに溢れていたため、常に世界とつながって生きてきました。
SNSで自分の生活を「シェア」し、周囲の人々から「いいね!」をもらうことが大きな喜びであり、シェアできる体験を常に探し求めて生きています。
承認欲求の矛先がかつての世代とは大きく違う方向に向かっているのです。
「体験」を重視するミレニアル世代にとっては、高級ホテルに泊まるよりも、AirBnBで「暮らすように旅する」ことを好み、高いレストランで素敵な女性と食べるディナーよりもUber Eatsでデリバリーしたフードを家で仲間とダラダラと食べることを好みます。
これからの時代はそのような価値観を持った人々が作っていきます。
ミレニアル世代が作り出す世界がどんなものになるのか、非常に楽しみです。
コメント