読書は脳やメンタルに良さそうですが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
この記事では、読書で得られる脳や精神面に対する効果やメリットなどを紹介していきます。
読書を習慣化するための方法や、おすすめの本(ビジネス書・小説など)もジャンル別にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
読書で得られる効果【脳や精神へのメリット】
本を読むことは、脳や精神に良い影響があると言われていることはご存知でしょうか。
具体的には、以下のような効果があると言われています。
- ストレス軽減につながる
- 集中力が高まる
- ビジネスで活かせる知識が身につけられる
- 教養が身につく
- 語彙が豊富になる
- 認知能力が高まる
- 知的好奇心が高まり、日々の生活の刺激になる
- 視野が広がる
ストレス軽減につながる
読書の有名な効果として、「ストレス軽減」があげられます。
実際に科学的にも、読書によるストレス軽減の効果は認められており、本を読むことでストレスが和らいだという体感は間違いではありません。
具体的には、2009年にイギリスのサセックス大学が発表した研究結果では、筋肉や心拍数の緊張状態を調べ、ストレスが68%減少したそうです。
読書による効果は、リラックスできると言われている音楽鑑賞などよりも効果が高いと言われています。
また「ビブリオセラピー(読書療法)」という心理療法として実用化されており、読書によって行動の変化や苦痛軽減なども期待できます。
日頃の仕事でストレスを感じている方は、ゆっくりと本を読む時間を作ることで、ストレスを軽減し、リフレッシュできるでしょう。
集中力が高まる
読書により集中力が高まる効果もあります。
読書は文字だけに集中し、内容を理解していく必要があるため、自然と集中力を高められるのです。
加えて、特に小説を読んでいる際には、書かれている文字を読みながら、その情景を想像し、ストーリーの展開などを頭で思い描いていくはずです。
このように想像力を働かせていく行為も、集中力を高めることに繋がります。
高い集中力を身につけられると、仕事の効率向上にも繋がり、日頃の仕事にも活かせます。
集中力がないと感じる方には読書がおすすめです。
ビジネスで活かせる知識が身につけられる
読書することで、ビジネスに活かせる知識を身に付けられる効果もあります。
コミュニケーション力に関する方法や業務効率に関する方法など、ビジネスで必要なスキルが解説された本を読めば、知識としてスキルを見に付けられます。
またデザインに関する本や会計に関する本など、得たい分野の専門知識を増やせる本もあり、新しい挑戦などに活かすことも可能です。
本は特定の分野に絞って掘り下げているものが多いので、詳しく知りたいという場合におすすめです。
初級編から段階的に学べるように出版されている本も多いため、初学者の人にも読書は向いています。
教養が身につく
読書をすることで、教養が身につくメリットもあります。
セミナー・授業で学べる内容や、有名な企業の社長の成功談などを知るためには、実際に現地に赴き話を聞くなど、時間・費用をかける必要があります。
しかし学びたい内容をまとめた本があったり、気になる社長の自伝が出版されていたりすれば、自分の好きな時間に好きなペースで、費用を抑えながら読むことが可能です。
古典や歴史を解説した本を読めば、その時代に戻ったかのような深さで知識を得ることもできます。
学びたいことや課題が明確な場合には、教養が得やすい読書をするとよいでしょう。
語彙が豊富になる
日常生活でも、仕事をする上でも重要になる語彙力を身に付けられることも、読書で得られるメリットです。
仕事をする上で、語彙力がないと相手からは幼く感じられてしまったり、誤解が生まれたりする可能性があります。
丁寧な仕事をするために必要な語彙力は、日常で得ようとしても、読書以外ではなかなか難しいでしょう。
しかし読書をすれば自然と語彙力が高まります。
実際に2016年にベネッセと朝日新聞が行った調査(*)では、本を読む人ほど、語彙力が豊富だというデータもあります。
だからこそ自身のペースで進められ、語彙力を身に付けられる読書は社会人におすすめです。
(*)ことばの力、高めるカギは「第1回 現代人の語彙に関する調査」(朝日新聞の記事より)|Literas
認知能力が高まる
読書をする際、文字のみから内容を理解し、情景を理解するために深く集中します。
よって読書は認知機能向上にも効果的とされています。
簡単な本だとしても、集中して読んでいるだけで、脳内の血流が良くなり、認知能力を高めるという効果を得られます。
文芸作品など内容が難しくなるほど、より血流が良くなり、認知能力が高められるそう。
認知能力が高まることにより、学力が伸びやすくなるので、新しい知識を頭に入れやすくなるはずです。
新しい業務を行う時や壁にぶつかった時など、知識が必要になるタイミングでは、読書をすると短期間で結果を出せる可能性があります。
知的好奇心が高まり、日々の生活の刺激になる
本を読むことで、新しい発見をし、新しい知識が得られるので、知的好奇心を高められる効果もできます。
特に歴史や文化などに関する本を読むと、知的好奇心がくすぐられるだけでなく、得た知識を日常で活かせるでしょう。
視野が広がる
読書をすることで、自分で直接的に体験すること以外の体験を疑似体験できます。
そのため読書には、自分の限界を超えて、視野を広げられる効果があります。
例えば過去に活躍したビジネスパーソンの自伝を読むと、目の前の仕事の捉え方を振り返るきっかけを得られるでしょう。
読書習慣をつける効果的な方法
読書にはさまざまな効果やメリットがあります。しかし忙しい社会人では、読書の魅力を感じても、時間が取れないこともあるでしょう。
そのような方に向けて、ここでは以下のような読書を習慣にするための効果的な方法を紹介します。
- 興味のある本を選ぶ
- できるだけ薄くて読み切りやすい本を選ぶ
- 一日一ページでも読書をする
- 読書する時間をあらかじめ決めておく
興味のある本を選ぶ
全く興味のない本を読んでも、読書するモチベーションは上がらず、読書習慣は身につけられません。
反対に、興味がある内容であれば、先が気になり、本を読みたくなるはずです。
スポーツに興味がある人ならスポーツに関する本、筋トレに興味があるなら筋トレに関する本など、興味があれば何から始めても大丈夫です。
本を読むということに対する抵抗をなくし、読書の楽しさを知ることができれば、次第に読書習慣が自然と身につくでしょう。
今まであまり本を読んでこなかった人こそ、まずは興味ある本から手にとってみましょう。
できるだけ薄くて読み切りやすい本を選ぶ
本を読む習慣がない場合、読もうと思って本を買っても、その本が分厚くいと読み切るのに時間がかかって、読書するモチベーションが削がれやすいもの。
だからこそ読書習慣を作りたい人には、できるだけ読み切りやすい薄い本を選ぶことをおすすめします。
まずは薄い本から挑戦し、読み切ったという達成感を味わってみると。読書に対するモチベーション向上に繋がります。
新書程度の薄さであれば、比較的時間をかけずに読み切れるのでおすすめです。
読書に慣れてきたら、興味を持てる厚めの本に挑戦すると、読書を習慣付けられるでしょう。
一日一ページでも読書をする
習慣を作る際に重要なことは、毎日継続することです。
だからこそ、1日1ページでもいいので、毎日継続して読むことが重要です。
例えば1日5ページであれば、5分もあれば読めるでしょう。通勤時間やちょっとした家事の合間など、空き時間に最適です。
毎日毎日、少しずつでも継続することで、着実に読書習慣が身につきます。
読書する時間をあらかじめ決めておく
読書が継続できない人は、毎日読書の時間を決めず、なんとなく読む気になったら読書をしていると可能性があります。
そのような方には、読書する時間をあらかじめ決めておくことで、読書習慣を身に付けられやすくなります。
社会人であれば、通勤時間や寝る前の5分間を読書時間にするのも良いでしょう。
また、毎日ゆっくりと湯舟に浸かる方は、その時間を読書に使う人も多くいます。
このように、特に決まったことをしていない、ある程度まとまった時間を読書時間と決めることをおすすめします。
読書初心者におすすめの本【ビジネス本】
これから読書を始めてみようと思っても、読書初心者だと何を選べばいいかわからないという方も多いと思います。
そのような方に向け、ここでは以下の4冊の20代の社会人におすすめのビジネス書を紹介していきます。
- 人を動かす
- 7つの習慣
- 仮説思考
- LIFE SHIFT
人を動かす
『人を動かす』はデール・カーネギー(アメリカ教師であり、自己啓発や対人スキルのコース開発者)が書いた本であり、世界中でベストセラーとなっています。
仕事をする上で、人と関わるために必要な考え方や行動に関して、細かい具体例を交え、自分の日常に置き換えながら理解できるように紹介されています。
『人を動かす』という名前ではあるものの、部下を持つ管理職にだけではなく、新社会人や学生にも役立つ内容が書かれています。
具体的には、以下のような方におすすめの本です。
- 人間関係に悩みがある方
- ゆくゆくは管理職になりたい方
- 人付き合いに苦手意識がある方
特に営業職の方など、人との関わりが重要な職種の方におすすめです。
7つの習慣
『7つの習慣』は、アメリカの経営コンサルタントや大学教授であるスティーブン・R・コヴィーが1996年に出版した、人格を形成するための基本原則をまとめている本です。
若手社員は何冊もビジネス書を読むよりも、この本を1冊じっくりと読み込む方がタメになると、新入社員に本を渡す企業もあるようです。
日々の習慣を変えることで、仕事だけでなく、人生をよりよくしていく方法を伝えている本です。
具体的には、以下のような習慣を紹介しています。
- 第1の習慣・主体性をもってやっていること
- 第2の習慣・終わりを思い描く
- 第3の習慣・最優先事項を優先する
- 第4の習慣・Win-winを考える
- 第5の習慣・まずは理解に徹し、理解される
- 第6の習慣・シナジーを作り出す
- 第7の習慣・刃を研ぐ
これらの7つの習慣を身につけることで、自身の仕事面だけでなく人生そのものを豊かにできるはずですので、ぜひ読んでみてください。
仮説思考
『仮説思考』は、経営学者・コンサルタントとして有名な内田 和成さんが書いた本です。ビジネスをする上で重要な仮説の立て方を詳しく解説しています。
世界有数のコンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ流の考え方や実践方法をまとめています。
どのような仕事をしていても、目の前の問題に対して仮説検証が大事ですが、この仮説の質がとても大切です。
しかし仮説検証に慣れていない20代は、正しい仮説の立て方が身についておらず、上手く仮説検証を回せないことがあります。
現在は簡単に情報を集められるため、情報収集に時間をかけすぎてしまうことは、良いことではありません。
この本では、ある程度限られた情報の中から正しい仮説の立て方を導く方法を学べます。若手のうちにこの本を読み、仮説思考を身に付けましょう。
LIFE SHIFT
『LIFE SHIFT』はイギリス出身の以下の2人が出版した本です。
- リンダ・グラットン(組織論学者やコンサルタント)
- アンドリュー・スコット(経済学者でビジネススクール講師)
近年「人生100年時代」と言われるようになりました。
この本では学生・社会人・老後の3ステージに分け、それぞれのステージでどのように過ごすべきかなど、今後の100年の生き方が提案されています。
機械化やAIによって想定される変化や、未来の雇用に関する解説、資産のバランスなど、新しい発見がたくさんあるでしょう。
将来のことまで考えて、今の仕事などを頑張りたい、先を見据えて必要なスキルを身に付けたいという方におすすめの本です。
読書初心者におすすめの本【小説】
ここでは、20代の社会人におすすめの小説を以下の3冊紹介していきます。
- 博士の愛した数式
- 君の膵臓をたべたい
- アルジャーノンに花束を
博士の愛した数式
『博士の愛した数式』は、谷崎潤一郎賞や泉鏡花文学賞などの受賞歴もある小川洋子が書いた小説です。
メインの登場人物は数学者の博士と家政婦の私ですが、この博士は数字以外に興味がないことに加え、80分しか記憶が持たない設定です。
日々の積み重ねではなく、今を全力で生きられているのか、明日でいいやという考えていないかなど、仕事に関する考え方まで再考させられます。
君の膵臓をたべたい
『君の膵臓をたべたい』は、人気作品を数々生み出している住野よるのデビュー作品であり、アニメや漫画、実写映画化までされている大人気作品です。
主人公となる「僕」は病院におり、「共病文庫」と書かれた日記を拾い、読むと肝臓に病気を患い、余命宣告されている人が書いた闘病に関する内容でした。
この持ち主が、同じ高校の同級生のものだと知り、同級生との距離が近づくことで物語が進んでいきます。
「君の膵臓を食べたい」というタイトル、そして終盤まで「僕」の名前が明かされないことの理由など、引き込まれるポイントが散りばめられたおすすめの小説です。
アルジャーノンに花束を
『アルジャーノンに花束を』は、アメリカ人の作家であるダニエル・キイスが書いた小説です。
知的障害を持った主人公のチャーリーが自身の体験などを綴るような形で物語が進んでいきます。
IQが70しかないチャーリーは、読み書きなどを教えてもらっていた大学先生の推薦で、IQを高める脳外科手術を受けることになります。
この手術などをきっかけにチャーリーを取り巻く環境が変わり、物語も一変します。
舞台となっている1950年代のアメリカにおける障がい者が置かれていた状況や周りの対応なども知ることができることに加え、人格形成などに関しても深く考えるきっかけになります。
読書初心者におすすめの本【自伝】
20代社会人におすすめの自伝は、以下のようになります。
- スティーブ・ジョブズ
- 不格好経営
- こんな僕でも社長になれた
- 渋谷ではたらく社長の告白
スティーブ・ジョブズ
誰もが知るAppleの共同設立者の1人であるスティーブ・ジョブズが唯一全面的に協力したとして注目を集めた公認の自伝です。
世界を変えた、革命的な開発であるiPhoneはどのようにして生まれたのか、どのような思考がスティーブ・ジョブズを突き動かしていたのかなどを事細かに知ることができます。
順風満帆に見える経営者であるものの、自分が設立したAppleをクビになり、ピクサーのCEOとして「トイストーリー」なども生み出している人物です。
学生時代の話や開発者の苦悩など、世界一とも言える革命家のビジネスマインドまで知られる1冊となっています。
不格好経営
『不格好経営』はマッキンゼーのコンサルタントとして活躍していた南場智子が、DeNAを立ち上げた経緯などをまとめた自伝です。
経営コンサルタントとして活躍してきた経験を活かせば経営はできると考えていたものの、苦労を重ね、不格好になりながら経営していくリアルな姿を理解できます。
創業当時の苦悩や資金集めで大変だったことなどを赤裸々に語りつつ、どのようにして大きな企業になったかが事細かに書かれています。
ベンチャー企業の立ち上げに関しては、この本よりも詳しく知る方法はないと言えるほど細かく書かれているので、ベンチャー企業に興味がある人はぜひ読んでみてください。
こんな僕でも社長になれた
『こんな僕でも社長になれた』は、有名なクラウドファンディングサービスであるCAMPFIREの創業者や連続起業家として知られる家入一真の自伝です。
学生時代はいじめられ登校拒否になり、引きこもりだった経験があるなど、生きづらさを感じていた幼少期を過ごした家入さんが、どのようにして実業家になったのか、その経緯を細かく知ることができます。
ビジネスや起業に興味がある方はもちろん、今生きづらいと感じている人も何か得るものがあるでしょう。
過去の経験をプラスに転換してく考え方も参考になる、おすすめの1冊です。
渋谷ではたらく社長の告白
『渋谷ではたらく社長の告白』は、2000年に26歳の若さで東証一部上場企業となったサイバーエージェント社長の藤田晋の半生を描いた自伝です。
ネットバブルの波に乗り急拡大したIT企業。サイバーエージェントの設立や拡大の秘密や苦悩を知ることができます。
ネットバブルの崩壊や株価低迷、社内外からの突き上げなど、急拡大した企業がどのような苦悩をしたのかが赤裸々に書かれています。
誰もが知り、就活生からの人気も高い企業となったサイバーエージェントがどのように大きくなったのか、逆境の超え方なども知ることができる1冊です。
読書初心者におすすめの本【歴史】
ここでは、歴史のジャンルの中から、以下にておすすめの本を紹介していきます。
- 学校では教えてくれない日本史の授業
- 竜馬がゆく
- 仕事に効く 教養としての「世界史」
学校では教えてくれない日本史の授業
『学校では教えてくれない日本史の授業』は、日本の歴史を井沢元彦氏が新しい視点で解説している本です。
年号などを覚えたり、一つひとつの時代を切り取るだけでなく、歴史全体を通して俯瞰的に学べます。
「歴史は繰り返される」と言われるように、本質的には同じことが繰り返されています。
歴史を詳しく知っていくことで、先人たちはその困難をどのように乗り越えてきたのかを知り、今の仕事に活かせるでょう。
竜馬がゆく
老若男女に人気のある歴史小説『竜馬がゆく』ですが、筆者である司馬遼太郎は歴史小説の第一人者と言っても過言ではありません。
明治維新に大きく関わり、日本の近代化に大きく貢献した男である坂本龍馬について知りたい、興味があるという方は、この小説を読むだけで詳しくなれます。
小説自体は全8巻と少し長めではあるものの、世界観に引き込まれて一気に読み切れること間違いなしの1冊です。
仕事に効く 教養としての「世界史」
『仕事に効く教養としての「世界史」』は、ライフネット生命を創業し、京都大学で歴史講義をした実績もある出口治明が執筆した、世界史の中で日本が辿ってきた道を学べる本です。
起業家がビジネス視点で世界史を解説した本として、注目を集めています。
単なる歴史の解説だけはない内容が含まれているため、学生時代に世界史を学んでいない人でも楽しめる本です。
中国を始めとしたアジア諸国やヨーロッパ、アメリカなどの国を中心に解説しながら世界の宗教をメインに解説しています。
海外進出している企業など、海外と関わることがある仕事をしている人には特におすすめの本です。
読書は効果あり!継続的な読書がおすすめ
今回は、読書が脳や精神に与える効果や、読書習慣をつける方法などを紹介しました。
紹介した読書の効果は、以下になります。
- ストレス軽減につながる
- 集中力が高まる
- ビジネスで活かせる知識が身につけられる
- 教養が身につく
- 語彙が豊富になる
- 認知能力が高まる
- 知的好奇心が高まり、日々の生活の刺激になる
- 視野が広がる
今回紹介した読書習慣をつけるコツを参考に、読書効果を高めて仕事に活かしましょう。
コメント