近年はカフェインレスコーヒーやデカフェなどと記載された飲料や食品を見かけることが増えています。
しかし、「カフェインレス」「デカフェ」「ノンカフェイン」の違いがいまいちよくわからないという人もいるのではないでしょうか?
そこで、この記事ではカフェインが含まれていない飲料や食品を指すこれらのワードの意味を紹介します。
あえてこのような飲料や食品を選ぶメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
安眠などを目的としてできるだけカフェインを避けようと考えているなら、今回の情報が大いに参考になるでしょう。
カフェインレスコーヒーの効果による生活での3つのメリット
最初に、カフェインレスコーヒーを選ぶメリットとして以下の3つを紹介します。
- 夜はぐっすりと眠れる
- 利尿作用を抑えられる
- 妊娠中でもコーヒーを楽しめる
健康上の理由などによってカフェインの摂取を避けているものの、コーヒーを楽しみたいと考えている人にとってカフェインレスコーヒーは有力な選択肢です。
これからそれぞれのメリットについて詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
夜はぐっすりと眠れる
カフェインには覚醒作用があるため、寝る前に飲むと睡眠が妨げられてしまいます。
「寝る前にコーヒーを飲んだら全然眠れなくなった」という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
コーヒーは飲みたいけれど、眠れなくなると困るから飲まないようにしているという人もいます。
しかし、カフェインレスコーヒーを選べば、カフェインの覚醒作用の影響を受けないためぐっすりと眠れるでしょう。
コーヒーの香りにはリラックスする効果があり、これを嗅ぐとα波が脳内に出現するという研究結果も存在します。
カフェインによる覚醒効果という悪影響だけを除去し、コーヒーが持つリラックス効果を取り入れられるので、快眠を求める人にとってカフェインレスコーヒーはオススメの選択肢です。
利尿作用を抑えられる
カフェインは利尿作用をもつ物質なので、摂取すると急な尿意に襲われやすくなります。
外出中や仕事中、会議中などに急な尿意に襲われて困った経験をしたことがあるかもしれません。
すぐにトイレに行けない場合は尿意を我慢することになりますが、膀胱炎のリスクが高くなるので健康面への影響を考えるとできるだけ避けたほうがいいといえます。
そのため、外出前や会議前にはあえて普通のコーヒーではなくカフェインレスコーヒーを飲むという選択をするのもオススメです。
カフェインレスコーヒーを飲むことでカフェインによる利尿作用を抑えられ、急な尿意に襲われる確率を下げられます。
妊娠中でもコーヒーを楽しめる
一般的な摂取量では問題ないとされていますが、妊娠中にカフェインを大量摂取すると胎児に発育の遅れが見られたり、突然死のリスクが高まったりするリスクがあることが報告されています。
妊娠中はカフェインの代謝速度が遅くなることも考え、できるだけカフェインを摂取しないように注意している人もいるでしょう。
「カフェインを避けるために好きなコーヒーを思うように飲めない」と不満に思うこともあるかもしれません。
そのようなときにこそカフェインレスコーヒーが役立ちます。
そもそもカフェインを含んでいないコーヒー飲料なので、胎児への悪影響を及ぼすことを心配せずに飲めるでしょう。
妊娠中にもコーヒーを楽しみたいと思っているなら、ぜひカフェインレスコーヒーをご検討ください。
カフェインと胎児の関係についてさらに知りたい人は、以下の資料もあわせてチェックしましょう。
参考: 妊娠中のカフェイン摂取
カフェインレス・デカフェ・ノンカフェインの違い
カフェインが含まれていない飲料や食品を指す主な言葉には、以下の3つがあります。
- デカフェ
- カフェインレス
- ノンカフェイン
似たような意味の言葉もあれば違うものを指す言葉もあるので、ここでそれぞれの意味をしっかりチェックしておきましょう。
上記の3つの言葉の意味を正しく理解すれば、それぞれの表記がある飲料がどんな特徴を持っているのかを理解できます。
デカフェとは
デカフェ(decaf)とは”decaffeinated”の略で、「カフェインを除外した」という意味があります。
言葉の意味からもわかる通り、本来はカフェインが含まれる飲料からカフェインを除去して製造された飲料・食品を指すものです。
日本国内においてデカフェと表示できるものは、景品表示法第31条に基づいて定められた「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」によって、「カフェインを90%以上除去したもの」と定められています。
したがって、コーヒーにデカフェと記載されていたら、含有するカフェインの量は本来の数値の10%以下であると判断できるでしょう。
公正競争規約の詳しい内容については以下の資料を参考にしてください。
参考: コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則
カフェインレスとは
カフェインレスとは、デカフェと同様にカフェインが含まれるものからカフェイン成分を除去した飲料・食品だけではなくもとからカフェインの含有量が少ないものに対しても用いられる言葉です。
多くの場合はデカフェと同じような使われ方をしますが、この呼び方は日本特有のものなので一般的には「デカフェ」と表示されていることが多いでしょう。
前述したコーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則によると、カフェインレスコーヒーと表記できるものもカフェインを90%以上除去したものと定められています。
そのため、カフェインレスコーヒーという表記を見かけたらデカフェと同じものと判断してもいいでしょう。
ノンカフェインとは
ノンカフェインはデカフェとは異なり、もともとカフェインが含まれていない飲料・食品を指す言葉です。
一例として、一般的なお茶(紅茶や緑茶など)にはカフェインが含まれていますが、麦茶にはカフェインが含まれていません。
したがって、麦茶はノンカフェインのお茶と表現されることがあります。
ほかにもルイボスティーやたんぽぽコーヒーがノンカフェイン飲料に該当し、これらの飲料は原料にカフェインが含まれていないので製品にもカフェインが存在しません。
カフェインを抜く3種類の方法
もともとカフェインが含まれている原料からデカフェ飲料を製造するためには、何らかの方法でカフェインを除去しなければなりません。
カフェインの除去に使われる主な方法は以下の3つです。
- 有機溶媒抽出法
- 水抽出法
- 超臨界二酸化炭素抽出法
これからそれぞれの抽出法の特徴を詳しく解説しますので、デカフェ飲料に対する理解を深めるためにもしっかりチェックしておきましょう。
有機溶媒抽出法
有機溶媒抽出法はデカフェコーヒーの製造方法としては古く、以下の方法でカフェインを除去します。
- 蒸したコーヒー豆を抽出槽に入れる
- 有機溶媒で洗浄してカフェインを抽出する
この方法用いられる有機溶媒はジクロロメタンや塩化メチル、酢酸エチルなどです。
ジクロロメタンには発ガン性があることが知られているため、健康に影響を及ぼさない量を用いていますが安全性が疑問視されることがあります。
各国の法令によって規制されており、日本では薬品を使用したコーヒー豆を流通させられない都合上、国内にこの方法でデカフェしたコーヒはありません。
水抽出法
水抽出法とは、その名のとおり水を溶媒として用いてカフェインを抽出する方法です。
水抽出法を使用したデカフェは以下の手順で行われます。
- コーヒー豆(生豆)に水を浸して水溶性の成分を抽出する
- 水からカフェインを除去する
- カフェインを除去した水をコーヒー豆に戻す
カフェインを含む水溶性の成分を水に溶かし、そこからカフェインのみを除去するのが特徴です。
比較的安価な方法でコーヒーの風味を損ねずに安全にデカフェできるため、日本では主流の方法として用いられています。
超臨界二酸化炭素抽出法
二酸化炭素は臨界温度が31.1 ℃、臨界圧力が7.38 MPaの物質です。
この条件を満たすと超臨界流体と呼ばれる状態になり、有機溶媒と似た性質をもつようになります。
コーヒー豆に超臨界流体状態の二酸化炭素を浸すことでカフェインを除去でき、この方法ならコーヒーの風味を損ねません。
さらに二酸化炭素には毒性がなく、安全性が高いのがメリットです。
ただし、超臨界二酸化炭素抽出法を使用すると時間やコストがかかるため、主流のデカフェ方法になるまでには至っていません。
コーヒーを飲んだときのカフェイン作用
コーヒーを飲むと、そこに含まれるカフェインが身体に作用します。
カフェインには良い作用と悪い作用があり、それぞれの主な内容は以下の通りです。
良い作用 | 悪い作用 |
---|---|
覚醒作用 鎮痛作用 利尿作用 基礎代謝促進 胃酸分泌促進 | 目眩 興奮 不安 不眠 消化器トラブル 高血圧 |
上記のようにカフェインには良い作用を及ぼす面もありますが、過剰摂取すると悪影響を及ぼす可能性があります。
また、カフェインを多量に摂取すると毒性がありますが、通常の範囲の摂取量では問題ありません。
紅茶や緑茶はカフェインが含まれる?
紅茶や緑茶、エナジードリンクなど、カフェインが含まれる飲料はコーヒー以外にも多数存在します。
カフェインが多く含まれる飲料の一例を以下に掲載しますので、ぜひ参考にしてください。
飲料 | 100 mL当たりのカフェイン量 |
---|---|
コーヒー | 60 mg |
紅茶 | 30 mg |
玉露 | 160 mg |
煎茶 | 20 mg |
烏龍茶 | 20 mg |
ココア | 10 mg |
コーラ | 10 mg |
エナジードリンク | 40 mg ※製品によるさが大きい |
こうしてチェックすると、コーヒのカフェイン含有量は比較的多いことがわかるでしょう。
カフェインの摂取を避けたいと思っているなら、デカフェコーヒーを選ぶのはとてもオススメです。
カフェインレスを楽しめるのはコーヒーや紅茶だけじゃない
カフェインレス飲料はコーヒーや紅茶だけではありません。
そもそもカフェインが含まれていないノンカフェイン飲料のひとつに「ノンアルコールビール」があります。
読者の中にはカフェインもアルコールもできるだけ避けたいけれど、お酒を飲むのが好きだったからなかなか難しいと感じている人もいるのではないでしょうか?
そんな人にはノンアルコールビールがオススメです。
今回は代表的なノンアルコールビールとして以下の3つをご紹介します。
- 妊娠中・授乳中にオススメのALL-FREE
- 健康志向の人にオススメのGREEN’S FREE
- 美容面への影響を気にする人にオススメのALL-FREE コラーゲンリッチ
これからそれぞれのノンアルコールビールについて簡潔に解説するので、ぜひ参考にして自分にピッタリの1本を選んでください。
妊娠中・授乳中におすすめのカフェインレスのノンアルコール
サントリーの「ALL-FREE」は糖質やエネルギー、プリン体が含まれていないのにもかかわらずビールに近いテイストを再現しており、ビール好きにオススメです。
妊娠中・授乳中でも安心して飲めますが、甘味料などの添加物が使用されているので飲みすぎないように注意してください。
健康が気になる方におすすめのカフェインレスのノンアルコール
キリンの「GREEN’S FREE」は人工甘味料や香料を使っておらず、健康志向の人でも安心して飲めます。
良質な素材にこだわっており、ノンアルコールビールでありながらも爽快感を味わえる1本です。
ヘルシーさと味の良さを両立したノンアルコールビールを探しているなら、ぜひ試してみてください。
美容が気になる方におすすめのカフェインレスのノンアルコール
美容面への影響を気にするなら、サントリーの「ALL-FREE コラーゲンリッチ」がオススメです。
こちらは1本当たり2000 mgのコラーゲンを配合しており、美肌効果などに期待できます。
味はビールらしいというよりはマスカットをイメージさせるフルーティな仕上がりです。
独特な味わいを楽しめるので、ビールらしさを求めるよりは「ALL FREE コラーゲンリッチ」という独自の飲み物と考えたほうがいいでしょう。
カフェインレスコーヒーの効果と3つのメリットを解説まとめ
カフェインは身体に良い影響を及ぼす面もありますが、悪い影響もあるのでコーヒーや紅茶などの飲みすぎには注意が必要です。
カフェインを避けつつもコーヒーを楽しみたいと考えているなら、デカフェコーヒーを飲むのがオススメです。
また、カフェインを避けようとすると飲み物が限られてくるので、この機会にノンアルコールビールを試してみるのもいいでしょう。
ノンアルコールビールならカフェインやアルコールを避けつつビールの味わいを楽しめるので、ぜひ一度飲んでみてはいかがでしょうか?
以下の記事では特に人気があるノンアルコールビールを紹介しています。
自分に合った1本を見つけるためにも、ぜひあわせてご参考ください。
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