スマホやPCなどの普及により、職場でも自宅でもデジタル機器が手放せない方も多いのではないでしょうか。
今や生活に欠かせないデジタル機器ですが、ずっと使い続けていると知らないうちにストレスがかかり、目が疲れたり肩がこったりするといった不調の原因になる場合も。
デジタル機器の使い過ぎでストレスを感じたときに試したいのが、スマホやPCから意識的に距離を置く「デジタルデトックス」です。
今回はストレス解消に効果的といわれる、デジタルデトックスの効果や具体的なやり方について詳しく紹介します。
日々疲れやストレスを感じている方は、本記事を参考にぜひストレス解消のために役立ててみてください。
デジタルデトックスとは?論文でも発表されているストレス軽減方法
デジタルデトックスとは、ストレス軽減を目的として一定期間デジタル機器から意識的に離れる取り組みです。
デジタルデトックスに関する論文によると、デジタル機器への依存には以下のような問題があります。
- インターネットに依存する傾向が強いほど孤独感や抑うつ感が強い
- インターネットに依存している人はネガティブな心理状態になりやすい
- デジタル機器の使用によって健康問題が起こりやすい
デジタル機器の過度な使用は、心と身体にさまざまな悪影響を及ぼします。
論文によると、「デジタル機器を長時間使用し、依存している」と感じている学生が9割を超え、次のような問題を感じていると回答しています。
- 睡眠不足
- 学業への支障
- インターネットがつながらない時に感じる腹立たしさ
- 食事中のデジタル機器の使用
またデジタル機器への依存度が高いグループほど、休日にデジタル機器を使いたいという意見が多く見られました。
研究のまとめとして、休日を中心にデジタル機器の使用頻度の見直し(デジタルデトックス)が、健康問題や心理的弊害への対策に有効ではないかと述べられています。
参考:若者のデジタル機器への依存性の把握とデジタルデトックスの可能性の検討
デジタルデトックスで得られる効果とは?
意識的にデジタル機器から離れる時間を持つ「デジタルデトックス」では、以下のような効果が期待できます。
- ストレスが発散できる
- 睡眠の質が向上する
- 疲れ目が改善する
- 自然や社会の良さに気付く
- 時間の無駄を省ける
それぞれについて詳しく確認しましょう。
日頃のストレスを発散できる
デジタルデトックスは、日頃のストレス発散に効果的です。
特にSNSでのやり取りやゲームのやりすぎなど、スマホ依存症によるストレスを抱えているなら、思い切ってデジタルデトックスに取り組んでみましょう。
株式会社 クロス・マーケティングが行った調査によると「自分がスマホ依存症だと思うか」という質問に対して11.8%の人が「とてもそう思う」、33.2%の人が「そう思う」と答えています。
自分のことをスマホ依存症だと思っている人が、実際にデジタルデトックスを行った結果、以下のような点でメリットを感じています。
- 生活習慣を見直せてすっきりした
- 精神面で不安な気持ちがなくなった
- 眼精疲労やコリを解消できた
- デジタル機器に縛られない解放感を味わえた
デジタルデトックスを実施すると、気付かないうちに感じていたストレスを解消できるきっかけに。
日頃スマホやPCの見過ぎでストレスを感じている人ほど、「デジタルデトックスを続けていきたい」と回答する結果になりました。
睡眠の質が高まりすっきり起きられるようになる
デジタルデトックスをすると、睡眠の質が高まりすっきり起きられるようになります。
理由のひとつとして関係しているのが、スマホやPCから発せられるブルーライト。
ブルーライトはデジタル機器だけではなく太陽光にも含まれていて、人間はブルーライトによって昼と夜を区別しています。
例えば夕焼けが赤いのはブルーの光が届きにくくなるからで、ブルーライトが弱まると人は夜だと感じます。
自然界におけるブルーライトの変化が、体内時計を正確に保ってくれているため、夜遅くまでデジタル機器を使用してブルーライトを浴び続けると、体内のリズムを狂わすきっかけに。
体内時計が乱れてしまい、睡眠不足を引き起こします。
寝る前にデジタルデトックスをすると、自然なリズムで眠りにつけるため、睡眠の質が高まる仕組みです。
疲れ目に効果的で頭痛やドライアイの解消にも繋がる
デジタルデトックスには、疲れ目を解消する効果が期待できます。
スマホやPCを見る場合、目はピントを緊張させることで近くに視点を合わせますが、緊張状態が長く続くと目や目の周辺の筋肉に過剰な負担がかかって眼精疲労の原因に。
眼精疲労は、以下のような様々な不調につながります。
- 頭痛
- 肩や首のコリ
- 倦怠感
- 吐き気
- めまいやふらつき
- 目の奥の痛み
- 目の充血
- 瞼の痙攣
デジタル機器を見続けていると瞬きが減り、眼精疲労の原因の一つであるドライアイになりやすい点にも注意が必要です。
デジタル機器から離れる時間を作ると、上記のような不調を軽減できる可能性があります。
目に見えなかった自然や社会の良さに気付ける
デジタルデトックスをすると、目に見えなかった自然や社会の良さに気付ける可能性も。
デジタル機器に触れる時間が長いと、外に目を向ける余裕がありません。
良くも悪くも家の中で物事が完結してしまうことから、自然や人に触れる機会も減り、直接会うよりデジタル機器を通して連絡をする時間の方が増える可能性も。
デジタルデトックスをすると必然的にデジタル機器を触る時間がなくなるため、外に出るきっかけになります。
スマホの通知を気にせず買い物をしたり、自然と触れ合ったりしているうちに、季節感や人々の活気など、これまで目に見えなかった自然や社会の良さが見てくる場合もあるのです。
時間の無駄を省けて勉強や資格などに集中できる
デジタルデトックスは、時間の無駄を省くことにも繋がります。
スマホを何気なく見ているうちに、気付いたらかなりの時間が経っていたという経験がある人も多いのではないでしょうか。
確かに必要な情報を素早く届けて、遠方にいる人ともコミュニケーションを可能にしてくれる意味では、デジタル機器は欠かせないものです。
しかしゲームやSNSなど目的なくスマホをダラダラ触ってしまう時間が多い人は、無駄な時間を過ごしている可能性もあります。
デジタルデトックスをすると時間の無駄を省けるのにくわえ、余った時間で勉強や資格取得、趣味などに集中できるようになり、人生が有意義になります。
デジタルデトックスの具体的なやり方を伝授
スマホやPCに触ることが当たり前になっている人は、デジタルデトックスをしようと思っても何から取り組んでいいのかわからないことも多いはず。
デジタルデトックスの具体的なやり方を紹介するので、できそうな方法を選んで試してみてください。
スマホやPCの電源を切って触れる時間を極力減らす
デジタルデトックスをするなら、スマホやPCの電源を切って物理的にすぐ見られない状態にする方法がおすすめです。
スキマ時間があるとついついスマホを見てしまいがちですが、電源を切っておけば触ろうと思う気持ちを減らせます。
とはいえ普段ずっとデジタル機器に触れている人は、画面を見ないと落ち着かない、連絡が取れないと不安になるなどの心理が働く可能性も。
落ち着かないときは、「本を読む」「お菓子作りをする」「音楽をゆっくり聴く」など、代わりに集中できることを見つけましょう。
何かに集中できればストレス発散にもなり、デジタル機器から意識を逸らすのにも有効です。
就寝時だけスマホを触らないようにする
長い時間デジタル機器に触れないと不安で、完全にスマホ断ちをするのが難しい方は、就寝時だけスマホを触らないようにすることから始めましょう。
寝る前にスマホを見ると、ブルーライトの影響で体内時計が狂って睡眠不足の原因に。
寝る時にスマホを見ないようにするだけでも、体内時計の狂いを抑えられ、睡眠不足が解消される可能性もあります。
睡眠不足は日中の眠気や疲労感にも影響を与え、集中力の低下やイライラの原因になる場合も。
睡眠不足が酷くなると、日常生活にも影響が出るため注意しましょう。
厚生労働省によると、睡眠不足は生活習慣病にかかるリスクを高め、症状を悪化させます。
就寝時のデジタルデトックスで睡眠不足が解消されれば、病気のリスクを減らすことにも繋がります。
スマホの機能を使って強制的に画面を見れなくする
スマホの機能の中には、強制定期に画面を見れなくするものもあります。
画面が見れなければ、デジタルデトックスしやすく便利です。
iPhoneの「スクリーンタイム」を例に、どのようなものがあるか見てみましょう。
スクリーンタイムには、アプリの使用時間やコンテンツの利用を制限できる機能があります。
自分のスマホはもちろん、ファミリー共有していれば子どものスマホの制限も可能です。
まずは以下の手順でスクリーンタイムの機能を有効にしましょう。
- 設定を開く
- 「スクリーンタイム」を選択する
- 「スクリーンタイムをオンにする」をタップする
- 説明の内容を確認したら「続ける」をタップする
スクリーンタイムの機能を有効にしたら、「休止時間」を選択してアプリが使用できない時間を設定しましょう。
アプリを利用できない時間があれば、スマホを見る必要がなくなり、スマホ断ちに繋がります。
スマホに頼らず旅をしてみる
旅行をする際も乗り換えアプリや地図アプリなどを使いがちですが、スマホに頼らず旅をする方法もデジタルデトックスにおすすめです。
予定や時間に縛られるのではなく、自分の思いつくままに旅をしたり、地図を片手に旅をしたりと、日常生活を離れてのんびりとした時間を過ごしてみましょう。
スマホを持たないと画面を見る時間が少なくなり、普段見逃している景色をゆっくり楽しめます。
同行する人がいる場合は、会話も弾むでしょう。
インターネットで情報が得られなければ、ガイドブックで調べたり人に聞いたりしなければいけません。
目的地に到着できた時の感動も味わえるうえに、旅先で人と接する機会も増えて出会いが広がり、より楽しい旅が楽しめる可能性もあります。
効果なしと感じたら?自力でのデジタルデトックスが難しい場合の対処法
デジタル機器を触らないようにしようと思ってもどうしても触ってしまう、触らないでいると不安で落ち着かないなど、自分の意思でデジタルデトックスをするのが難しいと感じる場合もあるかもしれません。
自分でできない場合の対処法として、外部のプランを頼る方法があります。
どのようなものがあるのか、例を見てみましょう。
デジタルデトックスのプランがあるホテルに泊まる
最近ではスマホ依存症の解消を目的として、デジタルデトックスプランを設けているホテルがあります。
星野リゾートで行われているデジタルデトックスプランを例に見てみましょう。
星野リゾートでは、以下の5施設で「脱デジタル滞在」プランを提供しています。
- 軽井沢
- 京都
- 竹富島
- 富士
- 東京
デジタル機器やインターネットの普及による心身の疲れやストレスを緩和するのが目的で、以前は期間限定で提供されていましたが通年利用できるようになりました。
チェックインの時にデジタル機器を預けるため、宿泊中は利用できません。
デジタル機器がない不安を和らげられるよう、宿泊地ごとに自然を楽しんだり地域文化を体験したりできるアクティビティが用意されています。
参考:【星のや】「星のや」にて「脱デジタル滞在」を通年で提供開始
キャンプに出かけて必然的にスマホやPCに触らない環境を作る
キャンプに出かけて、必然的にスマホやPCに触らない環境を作る方法もおすすめです。
電波が届かない圏外に出かければ、デジタル機器を触りたくても触れません。
事前に周囲の人に伝えてから出かければ、連絡が取れなくても不自然に思われなくなるでしょう。
たとえば「何もしないことをする」をコンセプトとした「Circus Outdoor TOKYO」というグランピング施設は、デジタルデトックスにぴったりです。
施設自体がデジタルデトックスを意識しているため、レセプションにて携帯電話を預かるサービスを任意で提供しています。
自然の中で日常の忙しさを忘れて様々な体験をしていれば、デジタル機器を使用しない不安も忘れられます。
リフレッシュにも繋がるので、自然の中でのキャンプも試してみましょう。
デジタルデトックスの効果を口コミから調査
デジタルデトックスには本当に効果があるのか、口コミを元に検証しましょう。
今回は個人の意見がダイレクトに伝わるTwitterの口コミを一部紹介しています。
まずは良い口コミをまとめるので、具体的にどんな効果があったのかに注目しながらチェックしてみてください。
デジタルデトックスに関する良い口コミは、数多く見られました。
内容をまとめると、以下のようになります。
- 充実した時間が過ごせた
- 時間が確保できた
- やることに集中できた
- スマホに依存するのは良くないと気付けた
- 一人でいることの大切さを感じられる
- デジタル機器から離れることの大切さを感じられる
- ゆっくり眠れそうな気がする
- 目が休まった
- 体の調子がいい気がする
充実した時間が過ごせた、時間が確保できたなど、いつもデジタル機器に取られている時間を有意義に使えたという声が多く見られました。
自分がやらなければいけないことに集中できたという意見もあり、時間を有意義に使えている様子も伺えます。
スマホに依存するのは良くないと気付けた、一人でいることやデジタル機器から離れることの大切さを感じられたなど、離れてみて初めてデジタル機器との向き合い方を意識した人もいました。
ゆっくり眠れそうな気がすると、睡眠に関する感想を述べている人も見られます。
目が休まった、身体の調子がいい気がするなど、デジタル機器と離れた結果身体への良い影響が期待できる意見もありました。
一方でデジタルデトックスに関する悪い口コミを紹介します。
悪い意見はほとんど見られませんでしたが、そもそも実施するのが難しいという意見がありました。
デジタルデトックスに興味がある人は、できる範囲でやってみたいと感じてはいますが、逆に触れないことにストレスを感じている印象も受けます。
自分でデジタルデトックスするのが難しい人は、ホテルやキャンプのプランを利用し、強制的にデジタル機器から離れる方法を選択するのもおすすめです。
ストレスが溜まっているならノンアルコールビールを楽しむ
デジタルデトックスをしている時に不安になったり落ち着かなかったりする人は、別にやることを見つけるとゆっくり休めます。
空いた時間をのんびり楽しむには、お酒がおすすめです。
とはいえ、翌日も仕事や予定がある場合、アルコールが入っていると気になって楽しめないかもしれません。
普段から健康を気遣ってあまりアルコールを飲まないようにしている場合、罪悪感を覚える可能性もあるでしょう。
ノンアルコールビールなら、アルコールが入っていないのにお酒を飲んでいるのと同じ感覚になるため、翌日予定があっても気にせずに飲めます。
ノンアルコールビールの中には、食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする機能を持つものや、コラーゲンが入っているものもあり、上手に取り入れると美味しいだけではなく健康効果も期待可能です。
こちらの記事でノンアルコールビールについて詳しく紹介しているので、ぜひデジタルデトックス中に楽しめる商品を見つける参考にしてみてください。
【2021年最新】日本で人気のノンアルコールビールおすすめ23選!
デジタルデトックスで日頃のストレスを解消しよう
日々デジタル機器に触れていると、知らず知らずのうちにストレスを感じたり、睡眠不足に陥ったりする可能性があります。
ストレスが溜まると体調にも悪影響なので、デジタル機器から離れる時間を取ることも重要です。
スマホやPCが原因で心身に影響があると感じている人は、生活の中にデジタルデトックスを取り入れて、ぜひ日頃のストレスを解消しましょう。
デジタル機器から離れると落ち着かない人は、集中できる何かを探す方法がおすすめです。
読書・映画などできることはさまざまですが、ノンアルコールビールを飲みながらゆったり過ごしてリラックスするのもいいでしょう。
デジタルデトックスに挑戦して、ぜひ有意義な時間を過ごしてみてください。
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