Sober Curious(ソバーキュリアス)

Sober Curious
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Sober Curiousとは

Sober Curious(ソバーキュリアス)とは、お酒自体は飲めるが「あえて飲まない」ライフスタイルを選ぶ人や少量しか飲まない人たちのことを意味します。
ミレニアル世代の若者を中心に、近年アルコールから遠ざかる人が増加しており、#soberlife、#soberissexyなどのハッシュタグを見かけることもしばしば。
実際にイギリスでは、16〜24歳の1万人を対象にした調査で、イギリスに住む若者が2005年にアルコールを飲まないと答えたのが18%だったのに対し、2015年には30%まで拡大しています。

ノンアルコール飲料市場の拡大

このトレンドに伴って今飲料市場で伸びているのが、ノンアルコール飲料の市場です。
StatistaのMarket size of non-alcoholic beer worldwide from 2016 to 2024のデータによれば、2020年から2024年にかけてノンアルコールビール市場は年平均成長率7.5%で拡大していく見込みです。
一方のビール市場は縮小傾向にあり、現在ノンアルコールビール市場はビール市場の5%ほどと言われています。

海外ではNirvana BreweryBig Drop Brewing Co.などどいったノンアルコールクラフトビール専門の醸造所が設立されており、ペールエールやIPA、スタウトなど様々なスタイルのノンアルコールビールを製造販売しています。

Nirvana+Brewey+All+Beers
Nirvana Brewery
Big-Drop
Big Drop


また、HeinekenやCarlsbergなどの大手のビールメーカーもノンアルコールビールに注力しており、今後はノンアルコールビールのセグメントでの競争がさらに激化するでしょう。

また、ノンアルコール飲料専門のバー、いわゆる「Sober Bar」と呼ばれる店舗も徐々に増加しています。
アメリカのブルックリンではお酒を出さないバー「Getaway」が人気とのこと。
ノンアルコールビールや、ノンアルコールワインなどのノンアルコール飲料を提供しています。
落ち着いたバーで、ニューヨーク市で人気の新しい種類のドライナイトライフオプションです。酒を飲むことなく、バーのような場所で交流したい人のための店を提供するというアイデアです。
0%のロゴが可愛く、店内の雰囲気も素敵です。

getaway
getaway-logo

落ち着いたバーで、ニューヨーク市で人気の新しい種類のドライナイトライフオプションです。酒を飲むことなく、バーのような場所で交流したい人のための店を提供するというアイデアです。
0%のロゴが可愛く、店内の雰囲気も素敵です。

2020年にはBrewDogがロンドンに世界初のノンアルコールビール専門のバーをオープン。

BrewDog AF bar_1
BrewDog AF bar_2

ラガーやペールーエール、IPAなど15種類前後のノンアルコールのクラフトビールを提供しています。アルコール度数は0.0%~0.5%。BrewDogのノンアルコールビールはすベて醸造所直送の生です。
自社以外にもLucky Saintなど他の醸造所のノンアルコールビールを取り扱っています。

日本でも、2020年に日本初の完全ノンアルコールドリンクのみのバー「0%」が六本木にオープン。

六本木 ノンアルコールバー
六本木 ノンアルコールバー2

今後もノンアルコール飲料専門のバーがオープンしていくでしょう。

Sober Curiousの背景

ではなぜ「Sober Curious」といったトレンドが起きているのでしょうか。

それは、ミレニアル世代を中心とした消費者は健康的なライフスタイルを求めることに加えて、精神的な豊さをも求めているからです。
「Mindfulness(マインドフルネス)」という考え方では、自分がどこにいるか、自分が何をしているかを認識し、周りで起こっていることにかどに反応したり流されたりしないことです。
アルコールに対して意識的になることを「Mindful Drinking(マインドフルドリンキング)」と呼んだりします。
周りが飲んでいるから、付き合いのために、などではなく、自分自身が何のためにお酒を飲み、その結果自分自身の心や身体がどう変化するかなどを認識することです。
世界的なパンデミック下ではなおさら環境的にも、感情的にも不安定だからこそ、肉体的・精神的健康はかつてないほど重要であり、自分自身の「幸福」を管理するため、このような前向きな選択をするMindful Drinkerが増えています。

アメリカ疾病予防管理センターによれば、「お酒の飲み過ぎは健康を害する可能性があります。過度の飲酒は、2011年から2015年にかけて米国で毎年約95,000人の死亡者と280万年の潜在的な生命喪失(YPLL)をもたらし、死亡した人の寿命を平均29年縮めています。さらに、20~64歳の現役世代の成人の10人に1人の割合で過剰飲酒が原因となっていました。2010年の過剰飲酒の経済的コストは2490億ドル、1杯2.05ドルと試算されている。(“Drinking too much can harm your health. Excessive alcohol use led to approximately 95,000 deaths and 2.8 million years of potential life lost (YPLL) each year in the United States from 2011 – 2015, shortening the lives of those who died by an average of 29 years. Further, excessive drinking was responsible for 1 in 10 deaths among working-age adults aged 20-64 years. The economic costs of excessive alcohol consumption in 2010 were estimated at $249 billion, or $2.05 a drink.”)」とのことで、SDGsの保健分野で「アルコールの有害な摂取を防止する」という指標が含まれているように、国際的に不適切な飲酒を防ぐという潮流があります。
日本の厚生労働省のサイトでもアルコールによる健康障害について様々なリスクについて記載があります。

また、お酒を断つためのキャンペーンとして「Dry January」が各国で行われています。
「Dry January」とは、1月の1カ月間断酒をするというもので、クリスマスなどのお酒を飲む機会があるイベントが多い12月のそれぞれのアルコールとの接し方を省みて、1月は心機一転お酒を断ってみるそうです。
Googleトレンドを見てみると、2020/2021はコロナの影響で減少していますが、年々注目度が上昇していることがわかります。

Sober Curiousやってみた。

Sober Curious

実際に2019年8月から2020年6月まで10ヶ月ほど断酒しました。
友人と2人で達成したい目標があり、それを達成するまでお酒を飲まないというものでした。その期間はひたすらノンアルコールビールを飲んでいました。
実際にやってみて、ポジティブな面もあれば、ネガティブな面もありました。

まずポジティブに感じたことは、目的を持ってアルコールを断つことで、少しずつ前へ進むことができたこと。
今まではアルコールによって、仕事や日々の生活のストレスを忘れて目の前の一瞬を楽しませてくれていましたが、ノンアルコールビールでは、常に本当の自分と向き合わせてくれ、目の前のことで消費することなく、前進するためのエネルギーをくれました。
飲み会後も、翌日の朝も作業に当て込んでいたので生産性も上がったのは言うまでもありません。

一方で、ネガティブに感じたことは、ノンアルコールビールを「あえて飲む」と言う価値観が受け入れられなかったことです。
「お酒飲めないの?」と聞かれ、「あえて今だけ飲まないようにしている」と答えれば、「ノリが悪い」「つまらない」と言われ、
「なんで飲まないようにしてるの?」と聞かれ、「目標を達成するまでお酒を断っている」と答えれば、「意識高いね〜」と冷やかされました。
ノンアルコールビールを肯定的に飲む事が認められない上に、市場にあるノンアルコールビールも、運転する必要がある人や妊娠している人、健康に気を使っている人などに向けた製品ばかりで、ある制限によって仕方がなく飲んでいるという印象が強いようです。

もちろん「アルコールを飲むべきではない」というわけではなく、アルコールを飲む・飲まないというのは個人の選択の自由です。
まだまだ日本では「あえてお酒を飲まない(Sober Curious)」と言っても簡単に受けれらなさそうですが、徐々に浸透していき、肯定的に飲むことができるノンアルコールクラフトビールようなものも今後さらに流通するといいですね。

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この記事を書いた人

ノンアルコールビール事業担当。ノンアルコール・ローアルコールビール専門メディアのAlldropでは商品の写真撮影やレビュー記事を執筆。まだ日本では知られていない海外のノンアルコールビールや醸造所の情報をお届けし、様々な価値を提供できればと思います。

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